選択の日12日目 猿の山からハワイの海へ

今朝のミイの散歩は、また山にしようと思った。
猿に襲われそうになったばかりなのに、私はまた山を選んだ。

山道の入り口に立ち、少し入ったところでミイのリードを外す。
ミイは勢いよく山を駆け上がっていった。

……しかし、今日は私の視界から消えなかった。

そして、すぐに私の足元に戻ってきた。

ミイは分かっているのだろうか。
目を離したら、また私が猿に狙われることを。

ミイにとって、私はかけがえのない存在のようだ。
可愛い。本当に可愛い。

「ミイ、海に行こう」

私は選びなおした。


海辺の公園は、この小さな町では「ハワイ」と呼ばれている。

広い公園の向こうに見える山々が、ハワイのダイヤモンドヘッドのように見える。
その山の向こうから朝日が昇る。

整然と並ぶヤシの木。
その向こうには青い海が広がっている。

小さな湾はほとんど波が立たない。

私はミイを放した。

ボールを投げると、ミイは喜んで取りに行く。
ボール遊びが大好きだ。

でも同じくらい、この広い公園を自由に散策するのも好きだ。

私は腰を下ろした。

一定のリズムで波が打ち寄せる。

今日は晴天。
贅沢な時間だ。

海を眺めていると、時間の感覚がなくなる。

ふと我に返る。

ミイはどこへ行ったのだろう。

呼ぶと、ミイはすぐ戻ってきた。
もういいかな。

私は再びリードをつけ、公園をゆっくり歩き始めた。


すると、私の名前を呼ぶ声がした。

「お久しぶりです」

毎朝この公園に散歩に来ている、85歳の男性だった。

「大変だったんだよ。肩が痛くてね、バーっと出たんだ」

「えー、帯状疱疹?」

「原因は分かってるんだよ。薪を背負ったんだ。無理したんだよ」

このおじさんは薬剤師だ。
講義をしたり、アメリカに留学したりしていた人だ。

「ステロイド持ってない?」

「あります」

「ステロイド軟膏があれば良かったんだけどね。もう飲み薬になったよ」

「何か月前ですか?」

「一か月前。もう良くなったんだけどね。まだピリピリする」

「もしかして暖炉があるの?」

「あるんだよ。ロマンチックでいいんだけど、薪が一日でなくなる」

「素敵!」

「免疫を上げるしかないよね」

「アメリカだったらサプリでなんとかなるかもしれないですね」

「NACいいよ」

「日本はグルタチオンがあまり知られてないですね」

やはり薬剤師さんとは話が専門分野に及ぶ。

お互い現役は引退したけれど、
だからこそ現代医学の問題点が見えてくる。

本音で語れる。

思いがけず楽しい時間だった。

もしかしたら、ミイが会わせてくれたのかもしれない。


帰宅すると、朝食の良い香りがしていた。

思考し、選択し、決意し、言葉にし、継続する。

それが習慣になる。

そして習慣は運命を変える。

そのことを、娘はもう知っている。


今日も私はパソコンを整え始めた。

ココナラのプロフィールを充実させたい。

しかしアイコンがなかなか作れない。

二時間格闘した。

昼食を食べると眠気が来て、三時間も昼寝してしまった。

その間、娘は初めて町を散歩していたようだ。

「初めてのおつかいみたいだった。トンネル通るの怖かったよ。
この辺、暗くなったら私爆死だね」

嬉しそうに笑っていた。


昼寝から目覚めると、脳が完全にリセットされていた。

もう一度アイコン作りに取り組む。

すると、成功した。

画像を作り直すというアイディア一つで、作業は一気に進んだ。

その後、求人を探し、会社の情報を調べ、夜に保存する。

AIは労働条件から簡単に月収を計算してくれる。

AIという相棒は頼もしい。

こういうのはズルなのだろうか。

ズルだと言う人もいるだろう。
便利だと言う人もいるだろう。
知らない人もいるだろう。

私の場合は、好奇心だ。

やってみないと分からない。

やってみたら、便利で面白かった。

もし面白くなかったら、便利でもやめていたと思う。

少しずつだけれど、私のパソコンスキルは上がっていった。


寝る前に「寿司打」をやってみた。

3000円コースで、最高成績は −90円

私にとってパソコンは、ゲームのようなものだ。
別の言い方をすれば、おもちゃ。

子どもの頃、パソコンは一握りの人しか扱えない機械だった。

それが今、私の家にあり、
私はキーボードを叩いている。

憧れが現実になっている。


私が応援しているYouTuberが裁判で勝訴したらしい。

淡々とした報告を聞きながら、
私もそろそろ弁護士に相談しようと思った。

そんなことを考えながら、眠りについた。

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